ライブ配信とは?メリットや活用方法・始め方まで詳しく解説

昨今、ライブ配信を活用する企業や一般ユーザーが急増しています。

そこで本記事では、ライブ配信の活用方法やメリット・デメリット、始め方までわかりやすく解説していきます。

ライブ配信について気になっている方は、ぜひご一読ください。

ライブ配信とは?

ライブ配信とは、撮影した映像をリアルタイムで視聴者に配信する手法のことです。

テレビの生放送と似た配信方法だと考えるとわかりやすいでしょう。

ライブ配信の特徴は、「ユーザーが参加できる点」と「配信が手軽な点」です。

ユーザーはライブ配信を見ながら、コメントなどで配信者に対しアクションを送れます。それに対して配信者はリアクションを取れるので、双方向なコミュニケーションを実現可能です。

また、スマホのアプリを使って手軽にはじめられるため、一般ユーザーから企業まで幅広い層に活用されています。

オンデマンド配信とライブ配信の違いは?

オンデマンド配信とライブ配信の違いを以下の表にまとめました。

ライブ配信 オンデマンド配信
映像の鮮度 リアルタイム映像 過去に撮影した映像
コミュニケーション 双方向にコミュニケーションできる 一方向的なコミュニケーションになる
編集 映像の編集ができない 編集済みの映像をアップロードできる

ライブ配信は、リアルタイムな映像かつ双方向なコミュニケーションが可能ですので、オンデマンド配信に比べて臨場感や一体感の面で勝ります。一方で編集ができないというデメリットもあります。

生配信とライブ配信の違いは?

生配信とライブ配信に違いはありません。

一方で、生中継とライブ配信ではやや言葉のニュアンスが異なります。

生中継はテレビやラジオのことを指し、ライブ配信はインターネットを通じた配信のことを指す場合が多いです。

ライブ配信の具体的な活用方法

ここでは、ライブ配信の具体的な活用方法を紹介していきます。

主に以下のような活用事例があります。

  • Webセミナー
  • 記者会見や新商品発表会
  • オンライン採用説明会
  • 商品販売に活用
  • 社内イベント

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Webセミナー

企業が実施するWebセミナーでは、ライブ配信が活用されています。

ライブ配信であれば、参加者からの質問を受けつけたり、アンケートを実施したりできます。

また、セミナー会場の予約・設営が不要なため、時間やコストを大幅に抑えることが可能。

参加者側は、どこからでもセミナーに参加できる利点があります。

記者会見や新商品発表会

記者会見や新商品発表会といった会社のイベントでも、ライブ配信が活用されています。

リアルイベントの現場には記者や観客を集めつつ、ライブ配信も並行して行うことでリーチ数を増やせます。

ライブ配信では、視聴権利をチケットのような形で有料で販売することが可能。その他、投げ銭機能と呼ばれる視聴者が配信者に対して、送金できる機能も搭載されています。

オンライン採用説明会

オンライン採用説明会にも、ライブ配信が活用されています。

ライブ配信であれば、遠方に住んでいる学生でも説明会に参加できるため、採用候補者数の底上げにつながるでしょう。

学生からの質問もライブ配信の利点を活かして受け付けられるので、積極的に活用している企業が増えています。

商品販売に活用

ライブ配信は商品販売にも活用されています。ライブコマースと呼ばれています。

視聴者とコミュニケーション可能なテレビショッピングともいえるでしょう。

中国ではライブコマースが広く浸透しており、コスメ、アパレル、日用品、食品など幅広い商材が販売されています。日本でも徐々に広がりを見せており、成功事例が増えてきています。

例えばABC-MARTでは、人気インフルエンサーを起用したライブ配信を行っており、視聴者とコミュニケーションを取りながらの商品紹介が人気です。

社内イベント

会社のキックオフイベントなど、社内イベントにライブ配信を活用する企業も増えています。

大手企業の場合は、各地方に数千人の従業員がいるような会社もあり、全員が集まって行うキックオフイベントには、これまで莫大なコストがかかっていました。

その点、ライブ配信であればどこからでも参加できるため、会場費や移動費などを大幅に抑えられます。

ライブ配信のメリット

ライブ配信には、以下のようなメリットがあります。

  • 視聴者とコミュニケーションできる
  • 会場の予約・設営にかかる費用が抑えられる
  • エリアの縛りなく視聴者を集められる
  • 投げ銭機能による収益獲得が期待できる

それぞれ詳しく解説していきます。

視聴者とコミュニケーションできる

リアルタイムの映像配信だけであれば、これまでもテレビの生放送がありました。しかし、視聴者と配信者の間でやり取りができるのは、ライブ配信がもたらした新たな映像配信の形です。

配信者とコミュニケーションがとれることによる、視聴者のエンゲージメント向上も期待できます。自社商品に対する、ファンマーケティングやブランディングといった施策にもつながっていくでしょう。

会場の予約・設営にかかる費用が抑えられる

映像配信用のアプリや機材さえ揃えてしまえば、全世界に配信することができるので、社内ベントやセミナー開催時に会場を用意する必要がありません。

予約や設営にかかる費用だけでなく、会場の準備にかかった人件費も大幅に抑えられます。

エリアの縛りなく視聴者を集められる

ライブ配信はインターネット環境さえあれば、どこからでも参加できます。

セミナーであれば集客数の増加と広告費の削減、社内イベントであれば全国に散らばる従業員全員参加のイベント開催のコスト削減など、様々なメリットが得られるでしょう。

投げ銭機能による収益獲得が期待できる

インフルエンサーの間では、投げ銭機能が広く活用されています。例えば、YouTubeにはスーパーチャット(スパチャ)と呼ばれる機能があり、チップとともに配信者にコメントを送ることができます。

金額が大きいほど配信者に取り上げてもらえる確率も高まるため、10,000円以上の高額なスパチャをするユーザーも多いです。

ライブ配信のデメリット

ここでは、ライブ配信のデメリットを紹介していきます。

主なデメリットは以下の通りです。

  • 機材などライブ配信の準備をする必要がある
  • 技術的なトラブルが発生するリスクがある
  • 映像の編集ができない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

機材などライブ配信の準備をする必要がある

ライブ配信するためにはYouTubeなどのライブ配信用のプラットフォームを使うか、撮影した動画データを配信用に変換するソフトウェアが必要です。変換ソフトは数十万円のものもあり、比較的高価です。

また、当然ですがカメラやマイク、照明など、動画撮影用の機材も欠かせません。その他、動画配信に耐えられるインターネット環境も必須です。

技術的なトラブルが発生するリスクがある

回線トラブルにより映像が止まってしまう、マイクが音声を拾わないといった様々なリスクがあります。トラブルが起こると、視聴者の離脱や信頼度が低下する恐れも。

入念な準備によって、できる限りトラブル発生を防止することが大切です。

映像の編集ができない

編集によって映像の品質を高められない分、出演者の話術やスキルが求められます。そのため、企業でライブ配信をする場合は、入念な台本の準備を行う、プロの司会やインフルエンサーを起用するといった施策を実施したほうがよいでしょう。

また、ライブ配信中に放送事故があった際も、そのまま映像が配信されてしまうリスクがあります。

ライブ配信の始め方

ここでは、ライブ配信をはじめるまでの流れを紹介していきます。

以下の流れで準備を進めていくとよいでしょう。

  1. まずはライブ配信アプリを選ぶ
  2. 撮影機材を準備する
  3. ライブ配信チームを組織する

①まずはライブ配信アプリを選ぶ

最初に、ライブ配信のプラットフォームとなるアプリを選びましょう。(アプリを利用しない場合は、外付けの変換ソフトや自社の配信サーバーが必要です。)

ライブ配信アプリには、以下のような種類があります。

  1. YouTube
  2. インスタライブ
  3. ニコニコ生放送
  4. ツイキャス

各アプリの特徴は次のとおりです。

ライブ配信アプリ例①YouTube

YoutTubeでは、「YouTube Live」と呼ばれるライブ配信サービスが利用可能です。

YouTubeチャンネルやウェブカメラ・マイクさえあれば、誰でも無料で配信することができます。外付けのエンコーダを使えば、外部にカメラやマイクを接続し、高品質な映像を配信することも可能です。

ライブ配信アプリ例②インスタライブ

インスタライブとは、Instagramのライブ配信機能です。

アカウントさえ持っていればアプリから簡単に配信できます。

ライブ配信開始時に、フォロワーに通知が届きます。他のアカウントとのコラボ配信ができる機能も搭載されています。

ライブ配信アプリ例③ニコニコ生放送

ニコニコ生放送は、国産のライブ配信サービスです。

ゲーム実況やバーチャルキャスト配信から、企業や有名人による配信まで、さまざまなライブ配信が行われています。

ウェブカメラやパソコンがあれば、無料で始められます。

ライブ配信アプリ例④ツイキャス

ツイキャスとは、スマホやタブレット、パソコンを使ってライブ配信ができるサービスです。

動画の配信だけでなく、ラジオ配信ができるのも特徴です。

YouTubeとの連携も可能で、配信した映像のアーカイブをYouTubeにアップできます。

②撮影機材を準備する

ライブ配信を行うアプリを決めたら、続いて撮影機材を準備しましょう。

撮影用の機材や設備には、以下のようなものが挙げられます。

撮影機材 カメラ、照明、マイク、三脚など
インターネット環境 ライブ配信は、データサイズの大きい映像の配信となるため、高速かつ安定したインターネット回線が必要です。無線よりも有線で、なおかつ高性能なものが推奨されます。
変換ソフト(エンコーダ―) 撮影した映像をライブ配信用に変換するソフトウェアです。パソコンにインストールして利用します。
配信用サーバー 自社でサーバーを構築して、配信する場合に必要です。社内ネットワークへの影響やセキュリティも考慮して実装する必要があります。
視聴用のページ 視聴者がライブ配信を見るためのページです。自社で配信用サーバーを構築する場合には必要です。

③ライブ配信チームを組織する

機材や設備の準備と並行して、ライブ配信にかかわるチーム作りも進めましょう。

ライブ配信に必要な人材やポジションは以下の通りです。リソースによっては、1人の従業員が複数の役割を担う場合も多いです。

ディレクター ライブ配信の企画から関係各所の調整、予算取り、スタッフの指揮まで行うリーダーです。
出演者 ライブ配信に出演して、商品紹介やセミナー内容の説明を行います。編集ができないので高い話術・スキルが求められます。
司会 ライブ配信を円滑に進めるために、司会を起用する場合も多いです。
カメラマン 撮影を担当するスタッフです。固定のカメラでも代用可能です。映像の演出によっては複数名体制となります。
照明 映像の完成度には照明の役割も重要です。カメラマンと連携して撮影をサポートします。
オペレーター ライブ配信中にカメラの切り替えやテロップの挿入、BGMの再生などを行うスタッフです。

ライブ配信に関するよくある質問

ここでは、ライブ配信に関するよくある質問に対してQ&A形式でお答えしていきます。

ライブ配信に使えるサービス一覧が知りたいです。

ライブ配信に利用可能な配信プラットフォームには、以下のようなものがあります。

  • Zoom
  • SHOWROOM
  • Vimeo
  • YouTube Live
  • インスタライブ
  • ニコニコ生放送
  • ツイキャス
  • LIVEMINE
  • Pococha Live
  • BIGO LIVE
  • 17Live
  • LINE LIVE
  • LIVE812 など

ライブ配信に使えるサービスは多数あります。それぞれ特徴が異なるので、配信内容にマッチしたサービスを選ぶことが大切です。

視聴者はライブ配信の何が楽しいと思って見ていますか?

ライブ配信の醍醐味には以下のようなものが挙げられます。

  • 配信者とコミュニケーションができる
  • 臨場感のある映像が楽しめる
  • ファンとなって「推し活」ができる
  • 投げ銭で配信者を応援できる

双方向なコミュニケーションやリアルタイムな臨場感のある映像が視聴者の楽しみとなっているようです。また、応援している配信者を投げ銭で直接支援できるのも人気の理由でしょう。

ライブ配信は誰でも見れますか?

ライブ配信は視聴者を制限することもできます。

ライブ配信ページのURLを知っている人だけに限定配信する、入場トークンを買った人だけが見られるようにするなど、配信者側で設定を調整できます。

自社サーバーで配信する場合は、社内ネットワークに接続している人だけがアクセスできるようにするなど、セキュアな設定も視野に入れましょう。

ライブ配信を取り入れて情報発信をアップデートしよう

ライブ配信は、これまでのリアルイベントにかかっていた費用の削減や双方向なコミュニケーションによる臨場感のある映像配信の実現など、様々なメリットがあります。

一般ユーザーだけでなく、企業にとっても活用方法が多いので、積極的に取り入れて情報発信をアップデートしましょう。